朋光会の音楽活動について
社会福祉法人朋光会は、先発の医療法人豊医会が1968年(昭和43年)の開設時から「音楽の効用」を医療面に活用する試みや、地域住民の交流・連携の推進、暮らしのネットワークづくりに音楽を積極的に取り入れていました。1987年(平成62年)の特別養護老人ホーム「太陽の國」の開設を機に、高齢者の心身の活性化、癒しや娯楽として生活の質の向上を目的に音楽の効用を活かすための活動を展開してきました。 現在は、介護老人福祉施設や地域ケアプラザなど福祉施設で様々な企画による音楽を発信しています。 朋光会の提供する音楽は、第一に音楽の「力」を発揮できる音楽家、または、音楽を通して「力」を発揮できる演奏者の活動を大切にしています。 第二は、専任の音楽療法士による治療的、教育的な技法での音楽療法活動です。この活動は音楽の持つ生理的・心理的・社会的な働きを意図的、計画的に活用して心身の回復、機能の維持改善を目的に行っています。 朋光会及びアポロングループは、「音楽」の目に見えないバイブレーション(音の振動)は、医療や介護の手の届かない心へのアプローチが可能であり、退化している機能や感性を改善する効力を秘めていると考えています。 また、音楽を聴く側の人にとって、演奏者自身から直接発信されるバイブレーションは聞く人の身体全体で受信することになり効果が増大すると考えています。 このように「与える音楽」と「引きだす音楽」の両面を総合的・系統的・計画的に実施する考え方が朋光会の音楽活動です。
音楽活動のあゆみ
初代理事長の福村豊(1930~1993)は、1968年(昭和43年)横浜市保土ヶ谷区(現在は旭区)に建設された約5,000戸、人口約18,000人の大規模団地の中心部に有床診療所として左近山中央診療所(後に医療法人豊医会)を開設しました。診療所を受診する患者さんばかりでなく、大規模集合住宅という新たに造成されたコミュニティでの生活では、急激な環境変化に戸惑う住民の心のケアが重要な課題でもありました。開設者の福村豊院長は医療活動の傍ら、安心して暮らせる地域づくりの手段として「音楽」の活用を考えました。当初は院長先生が歌う音楽会を企画したり、合唱に参加する人を募ったり、地域住人が集える仕組みを考え、同時に音楽の聴衆として子供から高齢者まで家族ぐるみで参加できる企画を積極的に行いました。これらの活動が今日の朋光会の音楽活動として継続されています。
現在は主に高齢者を対象として専任の音楽療法士による治療的、教育的技法による療法活動と、専門職の音楽家や音楽ボランティアによる娯楽的、健康的なプログラムを併用した音楽活動を並行しながら実施しています。また、各種音楽会や音楽イベントを通して地域のネットワークづくりや青少年育成のクラブ活動の推進、合唱団の活動支援など積極的に取り組んでいます。
演奏会活動の記録
朋光会の運営する各施設ではさまざまな自主事業(企画)として音楽会を定期的に実施しています。各事業所別の音楽会関係の記録は各事業のページからご覧いただけます。
<朋光会主催による音楽演奏会の公演記録>
開催日時 | 開催内容 | 開催場所・指揮 | 主な出演者 |
---|---|---|---|
1986年9月5日 | ヴェルディ 「レクイエム」 |
神奈川県民ホール 福森 湘(Cond) |
東 敦子(Sop) 郡 愛子(Mez) 福村 豊(Ten) 高橋敬三(Bas) |
1987年8月4日 | 原爆犠牲者慰霊音楽会 ヴェルディ 「レクイエム」 |
広島世界平和記念聖堂 福森 湘(Cond) |
東 敦子(Sop) 阪口直子(Mez) 福村 豊(Ten) 山崎岩男(Bas) |
1987年12月1日 | チャリティ音楽会 ヴェルディ 「アイーダ」 |
神奈川県立 青少年センターホール 福森 湘(Cond) |
持木文子(Sop) 福村 豊(Ten) 妻屋秀和(Bas) |
1988年12月6日 | 特別養護老人ホーム支援 チャリティ音楽会 ロッシーニ 「小荘厳ミサ曲」他 |
サントリー小ホール 福森 湘(Cond) |
東 敦子(Sop) 阪口直子(Mez) 福村 豊(Ten) 山崎岩男(Bas) |
1989年6月6日 | 横浜市政100周年 開港130周年記念演奏会 ヴェルディ 「アイーダ」 |
横浜博覧会YESホール 福森 湘(Cond) |
小濱妙美(Sop) 福村 豊(Ten) 折江忠道(Bar) 妻屋秀和(Bas) |
1991年5月23日 | 認知棟増築のための 慈善音楽会 ヴェルディ 「オテロ」 |
神奈川県立音楽堂 福森 湘(Cond) |
小濱妙美(Sop) 福村 豊(Ten) 直野 資(Bar) 妻屋秀和(Bas) |
1991年8月15日 | 聖母の被昇天ミサ プッチーニ 「グローリアミサ」 |
目黒サレジオ教会 福森 湘(Cond) |
福村 豊(Ten) 直野 資(Bar) 妻屋秀和(Bas) |
1993年8月29日 | 太陽の國国際交流会 ロッシーニ 「小荘厳ミサ曲」 |
ヴァチカン・ローマ サンピエトロ教会 パンテオン 佐藤 宏(Cond) |
出口正子(Sop) 小畑朱実(Mez) 石川誠二(Ten) 妻屋秀和(Bas) |
1993年9月1日 | 太陽の國国際交流会 ヴェルディ 「オテロ」 |
ラクイラ市立歌劇場 ・イタリア イタロ.リッチ(Cond) 佐藤 宏(Cond) |
出口正子(Sop) 石川誠二(Ten) J.ジット(Ten) 折江忠道(Bar) 妻屋秀和(Bas) |
1993年12月4日 | 福村豊追悼演奏会 ロッシーニ 「小荘厳ミサ曲」 |
神奈川県立音楽堂 福森 湘(Cond) |
出口正子(Sop) 栗林朋子(Alt) 小林一男(Ten) 三浦克次(Bas) |
1994年9月25日 | Concert Vocale 出口正子さんと共にVol.1 |
ヴィアマーレ みなとみらい 佐藤 宏(Cond) |
出口正子(Sop) 栗林朋子(Alt) 石川誠二(Ten) 山崎岩男(Bas) |
1995年2月25日 | ボランティア感謝の夕べ ユリウス・ベルガー 前島園子 デュオコンサート |
神奈川県立音楽堂 | J・ベルガー(Vc) 前島園子(pf) |
1996年9月21日 | 太陽の國国際交流会 モーツァルト 「レクイエム」 |
ザンクトギルゲン教会 ・オーストリア 佐藤 宏(Cond) |
K・チョイ(Sop) 栗林朋子(Alt) ベルヒトホルト(Ten) ムースガスネル(Bas) |
1996年9月22日 | 太陽の國国際交流会 モーツァルト 「レクイエム」 |
フランチスカーナ教会 ・ザルツブルグ 佐藤 宏(Cond) |
K・チョイ(Sop) 栗林朋子(Alt) ベルヒトホルト(Ten) 妻屋秀和 (Bas) |
1997年11月25日 | 出口正子リサイタル 出口正子さんと共にVol.2 |
鎌倉芸術館ホール | 出口正子(Sop) |
1986年9月5日 ヴェルディ「レクイエム」 神奈川県民ホール 指揮:福森 湘 主な出演者:東 敦子(Sop)郡 愛子(Mez)福村 豊(Ten)高橋敬三(Bas) |
1987年8月4日 原爆犠牲者慰霊音楽会 ヴェルディ「レクイエム」 広島世界平和記念聖堂 指揮:福森 湘(Cond) 主な出演者:東 敦子(Sop)阪口直子(Mez)福村 豊(Ten)>山崎岩男(Bas) |
1987年12月1日 チャリティ音楽会 ヴェルディ「アイーダ」 神奈川県立青少年センターホール 指揮:福森 湘(Cond) 主な出演者:持木文子(Sop) 福村 豊(Ten)妻屋秀和(Bas) |
1988年12月6日 特別養護老人ホーム支援チャリティ音楽会 ロッシーニ「小荘厳ミサ曲」他 サントリー小ホール 指揮:福森 湘(Cond) 主な出演者:東 敦子(Sop)阪口直子(Mez)福村 豊(Ten)山崎岩男(Bas) |
1989年6月6日 横浜市政100周年開港130周年記念演奏会 ヴェルディ「アイーダ」 横浜博覧会YESホール 指揮:福森 湘(Cond) 主な出演者:小濱妙美(Sop)福村 豊(Ten)折江忠道(Bar)妻屋秀和(Bas) |
1991年5月23日 認知棟増築のための慈善音楽会 ヴェルディ「オテロ」 神奈川県立音楽堂 指揮:福森 湘(Cond) 小濱妙美(Sop)福村 豊(Ten) 直野 資(Bar) 妻屋秀和(Bas) |
1991年8月15日 聖母の被昇天ミサ プッチーニ「グローリアミサ」 目黒サレジオ教会 指揮:福森 湘(Cond) 福村 豊(Ten)直野 資(Bar)妻屋秀和(Bas) |
1993年8月29日 太陽の國国際交流会 ロッシーニ「小荘厳ミサ曲」 ヴァチカン・ローマサンピエトロ教会パンテオン 指揮:佐藤 宏(Cond) 主な出演者:出口正子(Sop)小畑朱実(Mez)石川誠二(Ten)妻屋秀和(Bas) |
1993年9月1日 太陽の國国際交流会 ヴェルディ「オテロ」 ラクイラ市立歌劇場・イタリア 指揮:イタロ.リッチ(Cond)・佐藤 宏(Cond) 主な出演者出口正子(Sop)石川誠二(Ten)J.ジット(Ten)折江忠道(Bar)妻屋秀和(Bas) |
1993年12月4日 福村豊追悼演奏会 ロッシーニ「小荘厳ミサ曲」 神奈川県立音楽堂 指揮:福森 湘(Cond) 主な出演者:出口正子(Sop)栗林朋子(Alt)小林一男(Ten)三浦克次(Bas) |
1994年9月25日 Concert Vocale 出口正子さんと共にVol.1 ヴィアマーレみなとみらい 指揮:佐藤 宏(Cond) 主な出演者:出口正子(Sop)栗林朋子(Alt)石川誠二(Ten)山崎岩男(Bas) |
1995年2月25日 ボランティア感謝の夕べ ユリウス・ベルガー+前島園子デュオコンサート 神奈川県立音楽堂 主な出演者:J・ベルガー(Vc)前島園子(pf) |
1996年9月21日 太陽の國国際交流会 モーツァルト「レクイエム」 ザンクトギルゲン教会・オーストリア 指揮:佐藤 宏(Cond) 主な出演者:K・チョイ(Sop)栗林朋子(Alt)ベルヒトホルト(Ten)ムースガスネル(Bas) |
1996年9月22日 太陽の國国際交流会 モーツァルト「レクイエム」 フランチスカーナ教会・ザルツブルグ 指揮:佐藤 宏(Cond) 主な出演者:K・チョイ(Sop)栗林朋子(Alt)ベルヒトホルト(Ten)妻屋秀和 (Bas) |
1997年11月25日 出口正子リサイタル 出口正子さんと共にVol.2 鎌倉芸術館ホール 主な出演者:出口正子(Sop) |
朋光会の慰霊祭
朋光会の運営する特別養護老人ホームでは、ホームで天命を終えられたご利用者を偲び、想いを新たにする慰霊祭を開設から毎年開催しています。普段から音楽の流れる施設に相応しく、慰霊祭は音楽で始り音楽で終わる形式です。献唱されるのはレクイエム「鎮魂歌」で、合唱はボランティアの方々や職員有志、ソリストは日本の代表的なソロ歌手によって演奏されます。慰霊祭の第一部は「レクイエム献唱」で、第二部は慰霊音楽会としてソリストによる独唱や重唱など、各年のテーマによるプログラムで楽しんでいただきます。会場は太陽の國野外劇場(雨天の場合はホール)の文字通り野外でアリーナ席350人収容の会場です。慰霊祭に参加される方は遺族の方々をはじめ、職員や入居者の方々、関係者、地域の方々、音楽の愛好者の皆さんです。平成10年から指揮者・作曲家の佐藤宏氏による太陽の國オリジナル合唱曲「REQUIEM」が完成し、以後、今日まで歌い継がれています。
<朋光会主催による音楽演奏会の公演記録>
慰霊祭・慰霊音楽祭の記録 | |||
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第1回 | 昭和62年8月1日 「レクイエム」ヴェルディ |
指揮 福森 湘 | 東 敦子 阪口直子 福村 豊 山崎岩男 |
第2回 | 昭和63年7月30日 「悲しみの聖母」ロッシーニ |
指揮 山崎岩男 | 磯 清美 栗林朋子 福村 豊 妻屋秀和 |
第3回 | 平成元年7月29日 「小荘厳ミサ曲」ロッシーニ |
指揮 湊 晋吾 | 大音典子 阪口直子 福村 豊 三浦克次 |
第4回 | 平成2年7月28日 「レクイエム」ヴェルディ |
指揮 福森 湘 | 小濱妙美 郡 愛子 福村 豊 三浦克次 |
第5回 | 平成3年7月20日 「グローリア・ミサ」プッチーニ |
指揮 福森 湘 | 福村 豊 直野 資 妻屋秀和 |
第6回 | 平成4年8月1日 「小荘厳ミサ曲」ロッシーニ |
指揮 福森 湘 | 小濱妙美 小畑朱実 福村 豊 妻屋秀和 |
第7回 | 平成5年8月1日 「小荘厳ミサ曲」ロッシーニ |
指揮 福森 湘 | 松田昌恵 栗林朋子 福村 豊 三浦克次 |
第8回 | 平成6年8月14日 「小荘厳ミサ曲」ドニゼッティ |
指揮 福森 湘 | 松田昌恵 栗林朋子 中鉢 聡 三浦克次 岡山広幸 |
第9回 | 平成7年7月29日 「レクイエム」ヴェルディ |
指揮 福森 湘 | 岩井理花 栗林朋子 小林一男 三浦克次 |
第10回 | 平成8年7月27日 「レクイエム」モーツァルト |
指揮 福森 湘 | 松田昌恵 栗林朋子 福井 敬 三浦克次 |
第11回 | 平成9年8月2日 「グローリア・ミサ」プッチーニ |
指揮 福森 湘 | 福井 敬 折江忠道 三浦克次 |
第12回 | 平成10年8月1日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 松田昌恵 小畑朱実 中鉢 聡 三浦克次 |
第13回 | 平成11年7月31日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 松田昌恵 栗林朋子 中鉢 聡 妻屋秀和 |
第14回 | 平成12年7月29日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 松田昌恵 栗林朋子 福井 敬 直野 資 |
第15回 | 平成13年8月4日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 松田昌恵 栗林朋子 Lina Vasta Giuseppe Zazzetta 福井 敬 直野 資 |
第16回 | 平成14年8月3日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 松田昌恵 栗林朋子 中鉢 聡 坂本伸司 |
第17回 | 平成15年7月26日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 松田昌恵 栗林朋子 吉田浩之 三浦克次 |
第18回 | 平成16年7月24日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 小林厚子 栗林朋子 小貫岩夫 柴山昌宣 |
第19回 | 平成17年7月23日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 松田昌恵 栗林朋子 田中 誠 牧野正人 |
第20回 | 平成18年7月22日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 松田昌恵 栗林朋子 中鉢 聡 東原貞彦 |
第21回 | 平成19年7月28日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 平井香織 小畑朱実 持木 弘 三浦克次 |
第22回 | 平成20年7月26日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 小林厚子 森山京子 持木 弘 妻屋秀和 |
第23回 | 平成21年8月1日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 出口正子 小畑朱実 岡本泰寛 堀内康雄 |
第24回 | 平成22年7月31日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 小林厚子 池田香織 持木 弘 大沼 徹 |
第25回 | 平成23年10月1日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 出口正子 小林厚子 持木 弘 長谷川顯 |
第26回 | 平成24年9月29日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 出口正子 小林厚子 持木 弘 久保田真澄 |
第27回 | 平成25年9月28日 「レクイエム」佐藤 宏 |
指揮 佐藤 宏 | 出口正子 池田香織 田中 誠 坂本伸司 |
音楽・芸術の参加者
ソプラノ |
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東 敦子 磯 清美 岩井理花 大音典子 カレン・チョイ 小濱妙美 小林厚子 嶋田貴美子 高橋典子 伊達伸子 出口正子 塚田京子 林ひろみ 原田 泉 松田昌恵 嶺 貞子 持木文子 リナ・ヴァスタ 平井香織 |
メゾ・ソプラノ |
小畑朱実 加納里美 栗林朋子 郡 愛子 阪口直子 西 明美 藤川真佐美 升森美津子 池田香織 森山京子 |
テノール |
五十嵐喜芳 石川誠二 市川和彦 岡本泰寛 小貫岩夫 小林一男 小宮一浩 G.ジット L.ダルフィオール 田中 誠 中鉢 徹 福井 敬 B.ベルヒトホールト 干川修一 持木 弘 |
バリトン・バス |
大沼 徹 岡山広幸 折江忠道 久保田真澄 小鉄和彦 坂本伸司 瀬戸口浩 高橋啓三 妻屋秀和 直野 資 丹羽勝彦 W.ムースガスネル 長谷川顯 東原貞彦 堀内康雄 三浦克次 山崎岩男 山村民也 坂登輝男 |
ピアノ |
石橋衣里 井上二葉 井ノ上てい 岩崎広海 岩部能理子 岡部裕司 加藤昭子 加藤恭子 加戸あさ子 金井紀子 古藤田みゆき 小林孝子 高島理佐 高橋裕子 谷池重紬子 智内威雄 古田多真美 藤原藍子 前島園子 三ツ石潤司 村上尊志 武藤理恵 J.ポッパー 吉田慶子 渡辺まどか |
オルガン・器楽 |
B.グフレール(オルガン) 湯口依子(オルガン) 荒瀬順子(マリンバ) 斎藤祥子(マリンバ) 井ノ上洋(フルート) 池松和彦(クラリネット) 浦井勝美(チェロ) 岡部重之(チェロ) J.ベルガー(チェロ) 北出典子(ヴァイオリン) 佐藤多美子(ヴァイオリン) 青山 忠(マンドリン) 池田光夫(バンドネオン) 京谷弘司(バンドネオン) |
指揮者 |
I.リッチ 江上孝則 加納明弘 佐藤 宏 塩田明弘 寺川信男 福森 湘 M.レスぺランス 湊 晋吾 |
オーケストラ |
神奈川フィルハーモニー管弦楽団 新星日本交響楽団 東京フィルハーモニー交響楽団 太陽の國グランドオーケストラ 太陽の國室内管弦楽団 |
能・地唄舞 |
近藤乾之助 金井雄資 高橋 亘 神崎たか女 |
邦楽 |
小原清耿(箏・三弦) 前田妃沙子(箏) 児玉寛子(箏) 船川長子(箏) 長尾早苗(箏) 野田美香(箏) 渡辺えり(箏) 石川利光(尺八) 中井帥山(尺八) 大海疏水山(尺八) 善養寺惠介(尺八) 神部辛山(尺八) |
朋光会の音楽療法
人は誰にでも懐かしいメロディ、好きな音楽、心に残る曲、楽しくなるリズム、想い出の歌声など心に音楽を持っています。また、映画やTV番組の感動シーンには心に響く音楽があり、時には気持ちが癒されたり爽快な気分になることもあります。このように音楽には不思議な影響力が秘められています。この「力」を有効利用して心身の健康や活性化に導くために行う音楽的な作業(療法)が音楽療法です。また、音楽を聴くだけでなく、楽器を弾いてみたり、歌を歌ったりすることも音楽療法に含まれます。この場合は、上手に演奏できるようになることが目的ではありません。
音楽療法の形態には大きく分けて「与える音楽」と「引きだす音楽」の二つに分類されますが、対象者にとっては「聴く」と「演奏する」という形です。「聴く」形式の音楽療法を「受動的音楽療法」、「演奏する」形式の音楽療法を「能動的音楽療法」といいます。
朋光会の音楽療法は、この「受動的音楽療法」と「能動的音楽療法」の両面をそれぞれの専門分野における高度な知識と技術を持つ音楽家及び音楽療法士が意図的・系統的・計画的に実施することを基本としています。
【受動的音楽療法について】
人は音楽を聴くことで心が慰められたり、心を躍らせたりします。また、音楽が自分に寄り添ってくれることでそこから力を得られることもあります。それは、音楽が知的過程を通らずに、直接、聴く人の情動に働きかけるからです。朋光会の音楽提供は高齢者のみならず、社会的弱者から健常な一般の方まで音楽を聴く対象を限定しません。同時に音楽を楽しみ、同時に拍手を送ることなど、音楽をきっかけとしたコミュニケーションが生まれたり、連帯感が促進されることを大切にしています。演奏を通して演奏者が聴衆の反応に触発され、いっそう豊かに表現できるという好循環が生じることもあります。このように 演奏側と聴衆側の心の交信が生まれることによって会場全体で幸福感や満足感を共有することができます。
このように音楽を聴く人が完全に受け身の状態でさまざまな感情が誘発されたり、ストレスや緊張状態から自然に開放されるなど、音楽が一種の刺激となって聴く人に伝えられることを、意図的な療法活動という面では「受動的音楽療法」と分類しています。そして、療法という目的からも、提供する音楽はより強い力を発揮できる音楽性、芸術性が必要であり、朋光会では質の高い音楽家や聴く人の心に寄り添える力のある演奏者を中心にプログラムを企画しています。
【能動的音楽療法について】
音楽療法の形態で「受動的音楽療法」による「聴く」に対して、「演奏する」形式の音楽療法を「能動的音楽療法」といいます。朋光会の特別養護老人ホームで実施している「能動的音楽療法」は認知症、加齢に伴うさまざまな慢性疾患、障害、脳卒中後遺症等を抱える高齢者で、受動的音楽療法だけでは解決できない問題を持つ方が対象になります。音楽療法士は担当のケアワーカーとアセスメントを共有しながら計画的、系統的に音楽を用いて介入していきますが、音楽療法士は非常に高い専門性が要求されます。音楽のみならず、病気や障害、心理学や医学、人との関係等に関する高度な知識と技術、臨床経験を持って活動します。
具体的には、病状によってグループ分けされた「グループ音楽療法」と、ケアワーカーが対象者を選んで参加する「集団音楽療法」、個別対応が必要な「個別音楽療法」など、一人ひとりの個性や症状によって活動内容が変わります。
グループ音楽療法の手順は、対象となる方の病状や生活状況をヒアリングし、対象者の抱える問題点や保持していける部分について検討します。次に、音楽を通してどのような関わりが持てるかを判断し目標を設定した上で適切なグループを選び参加していただきます。そして、活動を実施した後、「音楽面」「認知面」「情緒面」の3項目について評価を行い、次回の活動計画に反映させます。また、この活動結果は、即日、3カ月、1年毎にそれぞれの部署へ報告され、対象者の生活支援に有効な情報として活用されます。